せどりに古物商許可は必要か?

せどりと古物商許可

もくじ

せどりとは

せどりという言葉ができたきっかけは「転売業者が古本屋で本の背表紙のタイトルを見て、買う本を選んだこと、背表紙で取る」と言われています。せどりの方法を簡単に表現すならば、「安く買って、高く売る」ということです。

なかでも中古本を安く仕入れて高く売ることを、元々はせどりと言っていました。せどりという言葉が有名になったのは、ブックオフで中古本を仕入れ、アマゾンで販売する手法が広まったときです。

しかし、今ではもっと幅広い意味で「せどり」という言葉が使われるようになりました。家電商品を扱う「家電せどり」、CDなどを扱う「CD(DVD)せどり」、おもちゃなどを扱う「ホビーせどり」、ネット通販で仕入れる「電脳せどり」……と扱う商品が全然違う場合もすべて「せどり」と言うようになっています。

古物とは

古物営業法に規定する古物というのは

①一度使用された物品

②使用されない物品で、使用のために取引されたもの

③これらの物品に幾分の手入れをしたもの

を言います。

※「使用」とは、そのもの本来の目的に従って「使う」ことを言います。幾分の手入れや修繕を行っても、本来の目的に従って使用することができない物品は、廃品であって「古物」にはなりません。

※「使用されない物品で、使用のために取引されたもの」とは、一般消費者が、購入したり、もらったりした品物を、使用しないで新品のまま売却するような場合、「古物」に該当します。

※古物営業法施行令により、20トン以上の船舶、航空機、鉄道車両等は、除外されています。

古物営業とは

古物営業法に規定する古物営業というのは、

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

を言います。

せどりに古物商許可が必要なケース

せどりとは、「安く買って、高く売る」ことで、差額でお金を稼ぐビジネスのことです。

せどりは、比較的簡単な仕組みのビジネスなので、気軽に始める人が多いのですが、せどりも、古物の定義に該当し、古物営業を行うということであれば、古物商許可が必要になるので、気をつけなくてはいけません。

古物商許可が必要となるせどりの具体例を紹介しましょう。

1.ブックオフやハードオフで買って、Amazonで販売

一度使用された物品ですので古物に該当し、仕入れて売るという古物営業になるので古物商許可が必要になります。

未使用品についても、基本的に、一般消費者が、購入したり、もらったりした物品を、使用しないで新品のまま買い取りに出すという形で売却し、それをお店が売っているわけですから、古物を仕入れて売ったという形になりますので古物商許可が必要です。

2.ブックオフやハードオフで買って、メルカリやヤフオクで販売

一度使用された物品ですので古物に該当し、仕入れて売るという古物営業になるので古物商許可が必要になります。

3.フリーマーケットで買って、ブックオフで買い取りしてもらう

一度使用された物品ですので古物に該当し、仕入れて売るという古物営業になるので古物商許可が必要になります

古物商許可が不要なケース

1.転売目的ではなく自ら使用するために買ったものを、売却すること

古物営業に当たらない為、「古物商許可」は不要です。

2.新品の転売

①古物に該当するか?

「古物営業法 第2条第1項」で、「古物とは」次のように定義されています。

この法律において「古物」とは、一度使用された物品、若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

新品を販売するメーカーや小売店等から、新品を購入した場合、購入の目的が「使用のため」であれば、未使用であっても「古物」に該当することとなります。

では、目的が「転売」の場合はどうなのでしょうか?

古物営業関係法令の解釈基準等では「使用のために取引されたもの」とは、次のように解釈されています。

自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたものをいう。したがって、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する。

「転売」が目的ということは、購入者自身には、使用する意思はなくても、転売先の相手方が使用することを前提に仕入れという形で購入していることが想定されます。

また、転売目的で購入した新品でも、転売人の手に渡った時点で、一度は市場(しじょう)に出たことになり「古物」と判断されます。

したがって新品であっても、転売時には「古物」に該当するということになります。

つぎに

②古物営業に該当するか?

「古物営業法 第2条第1項」で、「古物営業とは」次のように定義されています。

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

ちょっと法律の条文は、解釈が分かりづらいかもしれませんが、「古物営業」とは、古物を「買って売る」、古物同士を「交換する」、ことを行う営業(営利を目的とした業務)をいいます。

古物を売却することのみを行う場合は、古物営業に該当しません。

どういうことかというと

新品を購入しているので、古物を購入したわけではありません。

したがって、売るときにのみ古物を売るという解釈になるわけです。

結論を言いますと、

「新品を仕入れて古物を売却」するということになりますので、販売する物品は「古物」に該当しても、販売行為は「古物営業」に該当しない為、「古物商許可」が不要ということになります。

まとめ

リサイクルショップ等での仕入れ、個人や転売業者から買い取りした商品を販売する場合には、古物商許可が必要です。

転売目的ではなく自ら使用するために買ったものを、販売することは、古物商許可は不要です。

新品の転売は、「古物営業法」の「古物営業」には該当しない為、古物商許可は不要となります。

もし分からないことや、疑問がある場合には、管轄の警察署や専門特化した行政書士に相談しましょう。

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